遙かな過去から現在に至るまでのワタクシメの恥ずかしいかもしれない産物を(ある程度)赤裸々に公開してしまおう!と。
「夢」09
 ふむふむ。

 なんつーか・・・。

 あれね。

 最近、寒いね~。

 なんかこー、急速に冷え込んだって感じ。





[原文]




 「夢」

 しかし入ってきた先生は、副校長だった。
 こんな時間に私たちの教室に来るのは普通ではなかった。
 「今朝は悲しい事がありました。」
 先生は教室に入って来てもしばらく黙っていたのだが、いきなりそう言い出した。
 表情は硬かった。
 「担任の先生の代わりに、私が来たのはそのためです。」
 この副校長は普段冗談を言ったりする面白い先生だったが、こんな表情の先生を見るのは初めてだった。
 「実は‥‥。」
 そこまで言って先生は突然黙ってしまった。
 クラスメイト全員、ただごとではないと気付いた。
 「どうしたんですか、先生ぇ。」
 一番前に座っている私は、そう尋ねずにはいられなかった。
 先生は泣いているのか、絞り出すような声でこう言った。
 「嶋田ゆみこさんが今朝、電車に轢かれて亡くなられました。」
 「はあ!?」
 私は思わずそう言っていた。なぜならそのゆみこならさっき教室に駆けこんで来たばかりだったし、今話をしていた所だ。
 先生は変な声を出した私の方を、怒ったような悲しそうな表情でにらんだ。
 その瞳には確かに涙が浮かんでいた。
 私は慌ててその理由を説明した。
 「だって先生、ゆみこならほら‥‥。」
 そう言って教室の後ろにいるゆみこの席を振り返って見た。
 が、ゆみこはいなかった。
 その席にだけ誰も座っておらず、カバンさえなかった。ついさっきしゃべっていたゆみこはどこにもいなかった。
 「え?だ、だって、さっき教室に駆けこんできて電車に‥‥あっ!」
 私は気付いていた。
 どうやら私はゆみこと最後のおしゃべりをしたらしかった。
 本当はもうその時ゆみこは死んでいたのだ。
 電車の事故。そしてさっきゆみこが言っていた"誰かにホームから突き落とされた"という話。そして"電車が発車せず、次の電車に乗った"という話。
 全て筋が通っていた。
 それ以上何も言えなかった。

 その晩、ゆみこの家にお通夜へ行った。
 おばさんもおじさんも妹のさちこちゃんもとても悲しそうにしていた。
 とても居づらかった。しかし私は勇気を出してゆみこの死に顔を見せてもらった。
 きれいだった。
 電車に轢かれたとはとても思えなかった。
 そして気付いていた。
 ゆみこの鼻先には教室で見たのと同じ様に、ほんの少し擦り傷の痕があった。
 私はそれを見て泣き出していた。
 教室でも、ここへ来てからも全く涙が出てこなかったのに、そのゆみこの擦り傷を見て初めて泣き出していた。
 止まらなくなっていた。
 私はゆみこの棺の上へ覆いかぶさるようにして泣き伏した。
 泣いて泣いて、泣き叫んでいた。
 しかしそれも夢だった。
 枕に顔をうずめて、夢だと気付いた後も声を押し殺して泣いた。
 悲しくてつらい夢だった。




[原文]


つづく

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